文豪・森鴎外の小説『阿部一族』の元ネタとなったのは、いろいろと現代人には理解しがたい武士の世界でした。熊本藩主・細川忠利が1641年に死去した時、後を追って切腹した者が19人にも登りました。殉死者の遺族は大抵、藩から厚遇されるものですが、殉死者のひとり、阿部弥一右衛門の遺族はなぜか冷遇されます。それにイラッとした長男が忠利の法事で無礼な態度を取って捕まると、弟達はブチ切れて兄の屋敷に立てこもり、討伐隊との激しい戦いの末に全滅しました。長男はその後、縛り首に。何だかなぁ……。