曲輪の外側と内側でデザインの違う隅櫓は結構多いですが、岡山城の月見櫓ではその違いが極端で、同じ建物と思えないほどです。まず内側からは三重に見えますが、外側からは二重に見えます。石垣で最下階が半分隠れていたりするためです。内側は、最上階がまるで御殿か屋敷のような佇まいで、木製の雨戸を開けると障子戸が見え、手すり付きの縁側まであり、なかなか快適そうです。一方の外側は、窓に格子が入っていたり、石落としがあったり、千鳥破風に監視用の小部屋を仕込んでいたりと、なかなか戦闘的です。