お城が舞台となっている文学の代表といえば、やはり『天守物語』でしょう。作者は明治時代の文豪、泉鏡花。舞台作品として数多く上演されているだけでなく、1995年には何と映画化までされている人気戯曲です。内容は、魔物が蠢く怪奇物語と思いきや、大天守に棲む魔性の女、富姫と、鷹匠の若侍、図書之助の純愛物語へと発展していきます。明治文学ということもあって、原文はいささか読みづらいですが、おどろおどろしさとロマンチックが合体した和風ファンタジー、興味があれば是非お試しあれ!
※ 読み:図書之助⇒ずしょのすけ