箱館戦争を耐え抜き、明治以降も解体を免れ、第二次大戦でも被害を受けなかった松前城天守。しかし1949年6月5日、近くの松前町役場の当直室で過失による火災が発生し、その飛び火であっけなく焼失してしまいました。その強運で歴史の荒波を乗り切ってきた天守にしては、あまりに不運な出来事でした。ちなみにこの年の1月には、奈良の法隆寺金堂の貴重な壁画が失火によって焼損しています。文化財にとって1949年は火難の年でした。