史実に忠実に再現された天守に注目が集まりがちな大洲城ですが、櫓が4棟も現存しているのは立派なものです。台所があったから台所櫓、高欄(廻縁の手すり)があるから高欄櫓、三の丸の南隅にあるから三の丸南隅櫓。わかりやすいネーミングです。が、……うん? 苧綿櫓? 「苧」とは布地などの原料となるカラムシという植物のことです。1848年改修時の棟札以外にこの名称が記されている資料はなく、カラムシや綿が実際に貯蔵されていたのかはわかっていません。ちなみに現存櫓4棟すべてが二重二階建てです。
※ 読み:苧綿⇒おわた