左右二基の二重櫓が櫓門でつながって一体化したような構造で、まるで天秤のように見えることから命名された「天秤櫓」。このような形状の櫓は彦根城だけにしかなく、大変貴重な遺構です。天秤櫓といっても完全な左右対称ではなく、左側がちょっと長いので、もし本当に天秤にしたとすれば左に傾くことでしょう。右側の櫓は江戸の方角に、左側の櫓は京都の方角に正面を向けているそうで、いろいろと気を遣っていることが窺えます。また石垣の積み方も左右で異なっていて興味深いので、石垣マニアの方は必見です。