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武士の心は抹茶風味? 茶道を愛し、茶道に愛された茶人殿様をご紹介


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TY_photo様撮影|写真AC

どうも! サイト管理人の犬彦です。

最もポピュラーな武士の趣味といえば、やっぱり茶道。茶室はいわば武士同士の交流・社交の場でもあり、茶道の作法は武士が身に付けるべきたしなみ・マナーでもありました。今回は、そんな茶道の世界にどっぷりはまったお殿様をご紹介します。

松江藩主 松平不昧(1751―1818)


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松江城

松江のお殿様といえば、やはり不昧の茶号を持つ松平治郷ですよね。 借金まみれのボロボロ藩を、国内屈指の豊かな藩へと変貌させた政治手腕は見事でした。 また彼は自らの流派を持つほどの重度の茶道マニアでした。 好転した藩財を武器に、他家が手放した茶道名器をバンバン買い取り、雲州名物と呼ばれる一大コレクションを作り上げました。 さらに蒐集品を七段階にランク付けして分類し「雲州蔵帳」というコレクション帳に記載。 その上で自ら定期的に状態をチェックし、手入れし、時には修理までしました。まさにマニアの鑑です。

紀州藩主 徳川治宝(1771―1853)


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和歌山城

64年間も紀州藩の実権を握り続けた徳川治宝は、藩に最も影響を及ぼした殿様といえるでしょう。 彼は「数寄の殿様」と呼ばれたほど、芸術を愛する風流人でもありました。 雅楽器コレクションという、なかなかマニアックな趣味も。 さて彼の茶道ですが、武士のたしなみなどという甘っちょろいレベルではありません。 何せ表千家九代家元・了々斎に皆伝を授かり、十代家元・吸江斎には逆に皆伝を授けたほどです。 また楽焼を厚遇したり、南紀男山焼を支援したりして、茶器をはじめとする質の高い陶磁器を数多く作らせました。

彦根藩主 井伊宗観(1815―1860)


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彦根城

幕末の大老中・井伊直弼には茶号が複数あるのですが、宗観が最もよく知られています。 先々代藩主・直中の十四男という藩主から程遠い立場だった彼は、17歳から32歳まで辛い部屋住み生活を強いられました。 しかし同時に様々な知識や教養を吸収することができた貴重な時期でもありました。 特に茶道は石州流を中心に学び、独自の茶道思想を形成するに至ります。 部屋住みを脱し、藩主から幕府の老中になり、日米修好通商条約締結の前年に当たる1857年、彼の茶道の集大成である『茶道一会集』を書き上げました。

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いかがだったでしょうか。今でこそ花嫁修行など堅苦しいイメージがある茶道ですが、お殿様をこれほどまで夢中にさせる魅力があるんですね。これを機に私も茶道をやってみましょうか。……って、犬男でも大丈夫でしょうか。

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